ワイン道を行く素人の語るグラスについて

これはただの飲酒ではなく一種の芸術的行為

そうしてあらゆる環境が最高潮に達したところで高級葡萄酒の栓というのは抜かれる。
主賓が短い挨拶をフランス語で述べ、その後100年物すら混ざった葡萄酒が開栓される。
無論、開栓に関わる人間も超一流であり、葡萄酒の継ぎ足しのタイミングからオードブルの進め方、その他執事が行うようなサービスまで至れり尽くせりで、一人の葡萄酒マニアとしてこれ以上の栄誉はない、と感じた。
舐める程度に頂けた100年物はかなり濃厚かつえぐみがつよく、専用の食器をもってしてようやくそのうまみを実感することができた。
ここまで私の葡萄酒や食器に関する体験談についてお話してきましたが、葡萄酒好きが高じてソムリエのいるパーティに招かれるようなことはそうそうあることではありません。
本当にお伝えしたかったのは食器次第でいくらでも安酒の味を変えられる、ということです。
たまの贅沢の際、普段3本飲むのを少し我慢して2本にして、その浮いたお金でちゃんとした食器を買ってみてはいかがでしょうか。
きっと新しい世界が見つかることと思います。
また、足の着いたコップ(ゴブレット)は不安定だし高価なイメージがある、という方はタンブラーをお求めになってはいかがでしょうか。
コップを少しにおい立つように改造した食器の一種で、葡萄酒のみならずビールなどにも転用することができます。
このようにうつわからみた葡萄酒というのは存外に見落としの多いものでして、アルコールを買って飲むための道具と割り切ってしまうのではなく、道具一つ一つの持つ機能美や形の美しさ、中に液体が満たされているときの何とも言えない絵になる感情、そういったものをひっくるめて葡萄酒の楽しみ方と割り切れば、もはやこれはただの飲酒ではなく一種の芸術的行為であり、その一滴一滴に含まれるワイナリーの思いも味わうことが出来ればこれ以上のことはありません。

「グラス」という観点からのワインについて本格的に食器の収集を始めてたこれはただの飲酒ではなく一種の芸術的行為